「聖なる鹿殺し」
(アイルランド・イギリス/2017年/監督:ヨルゴス・ランティモス/121分)
今年の3月に公開されていた「聖なる鹿殺し」を
ようやく鑑賞出来ました。
この映画についてニコール・キッドマンのインタビューで
「ヨルゴス・ランティモス監督はキューブリックに似ている」と言う発言があって
キューブリック的な映画を愛している私は
その視点でも映画を期待していました。
冒頭から主人公スティーブン(コリン・ファレル)の職業でもある
心臓外科医を印象つける
外科手術中の心臓のアップからスタートする衝撃的な幕開けで
映画は終始奇妙さに満ちています。
幸せだったスティーブンの家族が
どんどんと静かに壊れ恐怖に引きずり込まれていく・・。
恐怖に陥れる鍵を握るマーティン(バリー・コーガン)の存在が
映画の中でも特に引き立っていて狂っている。
ニコール・キッドマンが言うように
大きく引いたアングルから
ストーリーの重要なポイントはカメラをぐっと引き寄せるような撮り方で
観る人の気持ちを煽るような手法は
キューブリック監督を彷彿とさせるものがありました。
映画の脚本だけではなく、
カメラワーク、俳優の表情、音楽や間合いなど・・
多くの戦慄を表す素材に満ちていて
目を背けたくなると同時に惹きつけられるものがあります。
そして、もう一つ
色んな意味で生々しい場面が多い作品ですが、
どのシーンも不思議と美しさと品を感じることが出来る演出も
この映画の魅力だと思いました。
すごくオススメ。