(フランス=バングラデシュ=デンマーク=ポルトガル/2019年/監督:ルバイヤット・ホセイン/95分)
この春公開のバングラデッシュ出身の女性監督ルバイヤット・ホセイン最新作
「メイド・イン・バングラデシュ」を観ました。
本作は世界のファストファッションを支え、バングラデシュの主な労働力である
若い女性の実話がもとに描かれている作品。
特に最近では衣、食において、
消費者である私たちが生産背景を積極的に知ることが必要があると感じるようになりましたが、
本作を通し改めてファストファッションのあまりにも安い価格は、
バングラデシュの若い女性たちの犠牲の上に成り立っていることを痛感させられます。
縫製業に関わるバングラデシュの女性たちは職場や家庭でも、
経営者や家長に抑圧され不当な待遇を受けています。
経営者は若くて従順な女性を積極的に雇用し、
低い賃金で長時間労働をさせています。
劣悪な環境での労働は見ていてとても苦しくなりました。
しかしそんな中、本作では彼女たちが「知」を得て労働組合を立ち上げ、
置かれている状況に決して屈しない姿が描かれていました。
工場経営者や家長の男性優位なあり方に屈しない主人公の描かれ方、
そして、労働者の権利を学ぶことが彼女たちの権利を守ることだと知り
邁進していく姿が実話であったと言うことに救いを感じました。
アパレル産業に関わる者として、そして一消費者として、
ファッションの現状を知ること、学ぶことはとても大切なことです。
企業理念や生産背景を知り、非人道的な行いをする企業を支持しないことの重要性と
物を買う時、想像力を働かせて少しでも正しい選択をしなければいけません。
同時に女性の人権問題にも大きく関わっており、
構造的で階層差別を変えていくために社会を知るための教育の必要性も感じました。
あらゆる問題が潜む本作品は自分自身に何が出来るのか問いかけたくなる作品です。
本作は4月16日から岩波ホール、以後全国順次公開予定です。
今年で閉館してしまう岩波ホールさんで是非もう一度拝見したいです。